三業干支

四柱推命の三業干支についてです。

三業干支について

三業干支は、個人が先祖の因縁や業をどのように受け継ぎ、それにどう向き合うかを示す算命学の重要な概念です。業を引き継ぐことの自覚と先祖供養の実践は、その影響を和らげ、より良い運命へと導くための鍵とされています。

三業干支とは、先祖の業と因縁

三業干支は、先祖から受け継がれる因縁や業を象徴する干支で、個人が先祖の行いによって影響を受けることを意味します。これは、善行も悪行も含め、先祖によって積み上げられた業を後世が継承するという考えに基づいています。三業干支は、算命学特有の概念であり、四柱推命には存在しない独自のものです。

業の性質

業は形のないものであり、多くの場合、個人は自分がこれを受け継いでいることに気づかないことが一般的です。三業干支を持つ人は、先祖の残した影響深い業を生まれながらにして引き継ぐとされています。業は基本的にネガティブな意味合いを持ち、後世に悪影響を及ぼさないよう、現世でその解消を目指すべきとされています。

三業干支の業を解消するには

業の解消法は干支によって異なりますが、すべての三業干支に共通して推奨されるのが「先祖供養」です。先祖供養を丁寧に行うことで、三業干支の持つ凶意を和らげ、先祖の業を清算する助けとなると言われています。この供養を通じて、先祖との繋がりを認識し、敬うことで、自身に影響を及ぼす業を軽減させることが可能になります。

また、自分に恥じない生き方をすることも大切です。悪に手を染めたり、まあいいかと見逃したりしないことです。

三業干支の調べ方

三業干支は下記の干支になります。三業干支は年柱、月柱、日柱のどこに位置しても、その影響を及ぼします。

三業干支一覧

不族の業	「甲子」「甲辰」
祇王の業	「乙巳」「乙酉」
不信の業	「丙辰」「丙戌」
徳攻の業	「丁丑」「丁未」
参籠の業	「戊辰」「戊戌」
倒柱の業	「己巳」「己酉」
傷体の業	「庚辰」「庚戌」
一人行の業	「辛丑」「辛未」
不子の業	「壬辰」「壬子」
倒異の業	「癸酉」「癸亥」

 三業干支と異常干支の違い

三業干支と異常干支が持つ独特の性質と影響の範囲を理解する上で重要です。それぞれが個人の運命や性格に与える影響は異なり、これらの干支を正確に理解することで、より深い自己認識や運命の流れを読み解く手がかりを得ることができます。

干支の範囲と該当率

三業干支と異常干支の最も顕著な違いは、それらが対象とする干支の範囲と人々に及ぼす影響の広がりです。異常干支は合計13の干支に関連しており、これには「通常」と「暗合」の状態が含まれます。一方、三業干支は20の干支を対象としており、六十干支全体の約3割の人が何らかの形で三業干支に該当します。

影響力の度合い

影響力に関しても両者の間には明確な差異が見られます。異常干支はその影響が顕著であり、より直接的かつ強力な効果を命式に与えるとされています。これに対し、三業干支の影響はより微妙で、無意識のうちに個人に作用するため、影響力は異常干支に比べて弱いとされています。しかし、日柱に三業干支が位置する場合、その影響は顕著になる傾向があります。

命式での位置と影響

さらに、異常干支は命式の特定の位置に応じてその影響が変化するのに対し、三業干支は年柱、月柱、日柱のどこに位置しても、その影響を及ぼします。これは三業干支が個人の生命力や運命に深く関わることを示しており、特に日柱に位置する場合、その影響力は最大となり得ます。

不族の業は甲子と甲辰

不族の業とは、家族関係や結婚生活において困難が生じやすいとされる特定の業のことを指します。この業は、特に「甲子」と「甲辰」の年に生まれた人に見られるとされます。

不族の業の影響

この業を持つ人々は、家族内での一体感を築くのが難しいと言われています。親や兄弟と一緒に生活すると、さまざまな問題が発生しやすく、そのために一人暮らしをする方が適していると考えられています。また、結婚を考えると、なかなかうまくいかないことが多く、結婚生活も平凡ではなくなりがちです。子供を持つことも難しく、もし子供がいても彼らが家族から離れやすい傾向にあるため、家系を継ぐことが難しいとされます。

対処法

孤独になりやすいこの業を持つ人々ですが、結婚生活を継続する上で、仕事を続けることや、異国の人との結婚や年の差がある結婚など、非凡な選択をすることで、その困難を和らげることができると言われています。忍耐力が求められる生活かもしれませんが、困難を乗り越えることで、その人なりの幸せを見つけ出すことが可能です。

不族の業は家庭運に影響を与えるとされるため、自分自身の幸せを追求する方法を見つけることが重要です。結婚や家族関係においては、伝統的な方法に固執せず、自分にとって最適な生き方を模索することが勧められます。

祇王の業は「乙巳」と「乙酉」

祇王の業は、特定の家系に見られる結婚にまつわる困難を示します。この業は、「乙巳」と「乙酉」の年に生まれた人に特に顕著です。結婚運に障害があるため、これに該当する人々は結婚に至る道のりが困難であることが多く、結婚生活が始まっても波乱含みであることが一般的です。

祇王の業の影響

この業を持つ人は結婚が難しく、もし結婚できたとしても、その後の生活はトラブルや挑戦に満ち、結婚と離婚を繰り返す傾向にあります。結婚生活で直面するこれらの挑戦は、しばしば異性による裏切りや深刻な問題として現れることがあります。幸せな結婚が叶った場合であっても、その影響が仕事面に波及することがあります。

対処法

しかし、結婚生活におけるこれらの試練は、祇王の業を解消するための過程とも言えます。結果として、波乱に満ちた結婚生活を経験した人は、晩年には穏やかで平和な日々を過ごすことができるようになります。そのため、晩婚を選ぶのも一つの道ですし、独身で人生を楽しむのもまた良い選択と言えるでしょう。結局のところ、祇王の業を持つ人々には、人生の多様な経験を通じて成長し、穏やかな晩年を迎える機会があるのです。

不信の業は「丙辰」と「丙戌」

「不信の業」とは、特定の干支、具体的には「丙辰」と「丙戌」に見られる特徴で、この業を持つ人は人から裏切られやすい傾向にあります。この現象は、重要な瞬間や人生の転機において、信じていた人々からの裏切りという形で顕著に現れることが多いです。

主な特徴と影響

• 信頼した人からの裏切り
  人生の決定的な時期に、信頼していた人物による裏切りに直面しやすい。
• 不信
  裏切られる経験が重なることで、他人に対する不信感が増し、人間不信に陥るリスクがある。
• 裏切られると運気が上がるが自分が裏切ると運気が下がる
  他人からの裏切りが原因であるにもかかわらず、その都度、運気は上昇するとされる。しかし、逆に自分が他人を裏切る行動を取った場合、運気は下降する。

対処法

「不信の業」を持つ人々は、人との関係性において慎重になることが求められます。信頼を置く人選びに際しては、直感だけでなく、その人の過去の行動パターンや信頼性をじっくりと観察することが重要です。また、人生における重要な判断や選択は、できるだけ広い視野を持って行い、複数の意見を参考にすることも有効です。

さらに、裏切られた経験から学ぶことで、自己成長の機会として捉えることが、この業の影響を緩和し、ポジティブな方向に導く鍵となります。自分自身が人を裏切ることなく、誠実な行動を心掛けることで、運気の低下を防ぎつつ、より良い人間関係を築くことができるでしょう。

徳攻の業は「丁丑」と「丁未」

徳攻の業は、集団の中で独立して行動することが難しい特性を持つ業であり、「丁丑」と「丁未」の年に生まれた人に見られます。この業を持つ人々は、その人柄や魅力によって他人からの好意や信頼を容易に得ることができます。しかし、その結果として、周囲からの依存を受けやすく、自分だけの時間を確保することが困難になることがあります。

主な特徴と影響

徳攻の業を持つ人は、他人との関係で自己を尽くしながらも、内心では満足感を得にくいという特徴があります。他人からの期待に応えるために自分を犠牲にすることが多く、それが逆に自己の内面的な充足感を損なう原因となることもあります。

対処法

このような状況においては、受け身の姿勢を保つことで運勢が上昇するとされていますが、同時に、過度に依存される関係性からは距離を置き、自己の時間と空間を確保することが重要です。依存関係に陥ることなく、自立した人間関係を築くことが、徳攻の業を持つ人々にとっての課題となります。自分自身の内面を大切にし、自己満足を追求することで、内なる平和と満足感を得ることができるでしょう。

参籠の業は「戊辰」と「戊戌」

参籠の業は、「戊辰」と「戊戌」に生まれた人々に見られる特有の特徴で、人生を自由に生きることが難しい業とされています。この業の名前は、神社仏閣に籠り祈願する行為から来ており、人生において外部からの制限やしがらみによって縛られ、思うように行動することができない状態を象徴しています。

参籠の業とその影響

参籠の業を持つ人々は、しばしば自分の意志とは異なる道を歩むことになります。これは、社会的な期待や家族からの圧力、さまざまな責任感によって、好きではない仕事に就くなど、自分の本来の望みとは異なる選択を強いられることが原因です。また、特定の思想や価値観に強く縛られることで、自分の人生を自由に選択し、行動することが難しくなります。

対処法

このような状況下で、参籠の業を持つ人々には、自分の意志や願望を追求するよりも、状況に順応し、受け身の姿勢を取ることが推奨されています。これは、外部の制限や期待に抗うよりも、与えられた環境や状況の中で最善を尽くし、内面的な平和と満足を見出すことを意味します。そうすることで、参籠の業を持つ人は、限られた状況の中でも自己実現の道を見出し、心の平穏を保つことができるでしょう。

倒柱の業は「己巳」と「己酉」

倒柱の業は、「己巳」と「己酉」に生まれた人に特有の運命のパターンで、家庭や組織に大きな変化をもたらす力を持っています。この業を持つ人物は、強い影響力を持ち、その力は家族や組織の運命を左右することがあります。

倒柱の業の影響と対策

この業の最も顕著な特徴は、家族や組織の状況を逆転させる能力にあります。例えば、栄えている家庭に生まれた場合、その家庭を没落させる可能性がある一方で、すでに没落している家庭に生まれた場合は、その家庭を再び栄えさせる力を持っています。このように、倒柱の業を持つ人物は、家業や組織の運命に大きな影響を及ぼすとされています。

倒柱の業を持つ人が家業や組織のリーダーとなると、その組織を破滅に導く可能性があるため、早い段階で独立することが推奨されています。この業を持つ人が家から早く離れることで、自身と家族の運命により良い影響を与えることができると考えられています。

一方で、女性においては、倒柱の業の影響がそれほど強くないとも言われています。これは、伝統的な家族構造や社会的役割に基づくものである可能性があり、現代ではその影響が異なる形で現れるかもしれません。

対処法

倒柱の業を持つ人は、自身の影響力を自覚し、どのように最も効果的にその力を用いるかを考えることが重要です。家族や組織にとってポジティブな影響を与えるために、自分の役割と行動を慎重に選択することが望ましいでしょう。

傷体の業は「庚辰」と「庚戌」

傷体の業は、「庚辰」と「庚戌」に生まれた人に見られる特性で、身体的な傷害を受けやすい傾向にあります。この業を持つ人は、日常生活やスポーツ活動中に怪我をしやすく、また病気になりやすいとされています。しかし、不思議なことに、身体に傷がつくことで運気が上昇するとも言われており、怪我や病気を経験した後に幸運が訪れることがあるとされます。

傷体の業と健康への影響

傷体の業は、先祖からの因縁が関係しているとも考えられています。特に、不慮の死を遂げた先祖がいる場合、その影響が現世に及ぶことがあるため、先祖供養をしっかりと行うことが推奨されます。これにより、不幸な因縁を解消し、自身の運気を改善することができるとされています。

対処法

自傷行為は避けるべきであり、身体を大切に扱うことが重要です。同時に、身体を鍛え、健康を維持することで怪我や病気のリスクを減らすことも勧められています。適切な運動や栄養摂取を心がけることで、傷体の業による影響を最小限に抑え、より健康で充実した生活を送ることが可能になります。

一人行の業「辛丑」と「辛未」

一人行の業は、「辛丑」と「辛未」に生まれた人に見られる特徴で、この業を持つ人の財運は結婚によって大きく左右されます。独身を続けることで財運が良好を保つことができますが、結婚に踏み切ると財運に逆風が吹くことがあります。

一人行の業と結婚による財運の変動

特に、男女でこの業の影響は異なります。男性は、結婚すると一時的に財運が下がる可能性がありますが、離婚後に再婚することで財運が次第に向上していく傾向にあります。このパターンは、再婚を繰り返すごとに顕著になるとされています。

一方、女性においては、結婚によって財運が下降する傾向にあると共に、離婚が財運の改善につながることがあります。しかし、再婚を選択した場合は再び財運が下降するとされています。そのため、離婚後に独身を続けることが、女性の財運を維持する上で有利と考えられます。

対処法

一人行の業を持つ人は、結婚や再婚の決断をする際に、自身の財運にどのような影響があるかを考慮することが重要です。独身生活を楽しむことで安定した財運を享受するか、結婚生活を選択し、それに伴う財運の変動に対応するか、慎重に選択する必要があります。

不子の業「壬子」と「壬辰」

不子の業は、「壬子」と「壬辰」に生まれた人に見られる特性で、子供との縁が希薄であることを示します。この業を持つ人は、子供を授かることが困難であったり、子供が早くに独立してしまい親から離れやすい傾向にあります。また、子供が親の期待に応えない場合や、親子間の関係に悩みが生じやすいことも特徴です。

不子の業とその影響

不子の業を持つ人々は、親子関係において多くの挑戦に直面する可能性があります。子供が思い通りに育たない、または親子間で深い絆を築くのが難しいといった状況が生じがちです。これらの挑戦は、育児や家族関係における悩みとして現れることが多いです。

対処法

しかし、この業を持つ人々には、子供と密接な関係を持つよりも、ある程度距離を置いた親子関係を保つことで、相互の凶意を和らげることができるとされています。親子が互いに独立性を尊重し合うことで、より健全な関係を築くことが可能になります。

晩年に親子が一緒に暮らすことは少ないかもしれませんが、この距離感が逆に親子関係を安定させ、互いの精神的な負担を軽減する助けとなることがあります。不子の業を持つ人々は、親子関係において自然な形での独立と相互理解を目指すことが、挑戦を乗り越える鍵となります。

倒異の業「癸酉」と「癸亥」

倒異の業は、「癸酉」と「癸亥」に生まれた人々に見られる、非常に強力で影響力のある特性です。この業を持つ人は、異性との関係において特に顕著なパターンを持ち、しばしば周りの異性に苦労をかけることがあります。また、異性を利用して自身の成功を図る傾向があり、その結果として時には非難されることもあるとされています。

倒異の業の影響

倒異の業の影響は深く強いものとされ、異性との関係においては特に注意が必要です。この業を持つ人は、異性を不幸にすることで自己の利益を追求する行為が、最終的には自身に対する不信感や反感を招き、自分自身の人間関係や評判に悪影響を与える可能性があることを理解することが重要です。

対処法

倒異の業を持つ人は、異性との関係を築く際には人への敬意と感謝の気持ちを常に心がけるべきです。人との関係においては、公平かつ誠実な態度で接することが、長期的な信頼関係の構築に繋がります。異性を踏み台にすることのない、健全な人間関係を築く努力が、倒異の業の持つ影響を緩和し、より充実した人生を送るための鍵となるでしょう。

このように、倒異の業を持つ人々は、自己の行動が周囲に及ぼす影響を深く理解し、人との関係においては特に慎重かつ誠実に行動することが求められます。

三業干支の生き方

三業干支を持つ人々がその影響を和らげ、より良い人生を送るための具体的な生き方について解説します。

先祖供養を行う

先祖供養は、三業干支の持つ凶意を和らげるための基本的な方法です。定期的に先祖供養を行うことで、先祖から受け継いだ業の影響を軽減させることができます。具体的な供養方法としては、以下のものがあります。

• 墓参り：定期的に先祖の墓を訪れ、清掃し、祈りを捧げる。
• 仏壇の手入れ：仏壇をきれいに保ち、毎日お供え物をする。
• 供養の儀式：特別な日や節目に供養の儀式を行う。

自分に恥じない生き方をする

三業干支の影響を和らげるためには、常に誠実で正直な行動を心がけることが重要です。以下のような行動を取ることで、業のネガティブな影響を最小限に抑えることができます。

• 善行を行う：他人に対して親切に接し、困っている人を助ける。
• 悪行を避ける：嘘をついたり、他人を騙したりしない。
• 自己研鑽：自分のスキルや知識を高め、常に成長を目指す。

自分の業を理解する

三業干支の特性を理解し、それに基づいて対策を講じることが重要です。以下に、代表的な三業干支とその特性、対策を示します。

健康を大切にする

身体的な健康を維持することも、三業干支の影響を和らげるために重要です。適切な運動や栄養摂取を心がけ、身体を大切にすることで、業の影響を最小限に抑え、より健康で充実した生活を送ることができます。