十二直と二十八宿の意味

十二直と二十八宿の意味 暦注

十二直と二十八宿は、東洋の古代天文学と占星術の深淵から生まれた、時の流れと天の動きを読み解くための独特なシステムです。これらは、単に天体の位置を記録するだけでなく、日々の生活において何をすべきか、または避けるべきかを示すために用いられてきました。このブログ記事では、これら二つのシステムの背後にある思想、それらがどのようにして日常生活における吉凶の判断や人々の運命を占うために使用されてきたのかを探ります。十二直は、主に日本で用いられ、日々を十二の周期に分け、各日が持つ特性を示します。一方で、二十八宿は、中国を起源とし、月の運行に基づいて夜空を二十八のセクションに分け、各セクションが特定の星宿に対応しています。これらのシステムは、古代から現代に至るまで、文化や生活の中で様々な形で影響を与え続けています。この記事を通じて、古代の知恵がどのように現代に受け継がれ、私たちの日々に意味をもたらすのかを見ていきましょう。

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十二直(じゅうにちょく)とは?

江戸時代の暦注に「十二直」というものがあり、これは中段に記されることから「中段」とも呼ばれています。「客」という言葉には、「他から来て宿る」という意味があり、「直」とは「まっすぐ」や「あたる」という意味です。これらの言葉は、北斗七星と十二支の方位(真北が子の位置)との関係に基づいて、日ごとに様々な吉凶を定めるのに使われます。

北斗七星と十二支の関係

特に北斗七星の剣先星(破軍星やいくさぼしとも呼ばれる)は、その周期運動によって様々な方角を指し示します。たとえば、旧正月(寅月)は、この剣先が寅の方位(東から三十度、北よりの方角)を指す時期とされています。このような天体の動きは、古くから人々にとって運命的な意味を持ち、多くの関心を集めてきました。

十二直の用途

十二直では、「建、除、満、平、定、執、破、危、成、収、開、閉」という12種類の吉凶を日ごとに定めています。これらは、人々の日常生活に密接に関わる旅行や種まき、結婚や訴訟などの吉凶を占うために使われます。ただし、十二直については解釈に幅があり、各々の説明には相違点が存在します。

十二直 読み 概要 吉事例 凶事例
たつ 新規事始めに吉。 棟上げ、開店、旅行、移転、結婚など。 屋敷内の土動かし、船に乗る。
のぞく 悪事を除ける日。 種まき、医師にかかる、物を捨てる。 結婚、動土。
みつ 万事を満たす吉日。 参詣、移転、結婚、建築、開店、祝い事、種まき、動土。 なし。
たいら 良し悪し共に平らか。 相談事、地固め、柱立、種まき、結婚、祝い事。 なし。
さだん 万事定める事に吉。 結婚、移転、建築、開店、種まき、井戸掘り。 改築、樹木植え替え。
とる 収穫や買入れに吉。 五穀の収穫、物購入、結婚、建築、祝い事。 金銭の出し入れ、財産整理。
やぶる 訴訟や談判に吉。 訴訟、談判、争い事。 結婚、祝い事、物の取り決め。
あやぶ 何事も危うき日。 酒造り。 旅行、乗物、高所、ほとんどすべて。
なる 物事の成就に吉。 金銭商談、開店、結婚、建築、柱立、動土。 争い事。
おさん 収納するに吉。 物品の買い入れ。 物を出すこと。
ひらく 諸事開通する日。 開店、習い事始め、建築、移転、結婚。 葬式、不浄。
とず 諸事閉じるとき。 金銭の収納、墓建て。 開店、その他万事。

この表は、十二直とは日ごとに定められた吉凶の指針であるということを示しています。吉事例と凶事例を見ることで、それぞれの日にどのような行動が推奨され、また避けるべきかがわかります。十二直は、日常生活において古くから利用されてきた伝統的な知恵の一つであり、現代でも参考にされることがあります。

人々と十二直

十二直の解説は、その時々の人々の生活における重要事項に焦点を当てたものが多く、気をつかい相手の世話をしたり、援助する立場になることが推奨されているケースが比較的多いです。これは、十二直が人々の間でどのように実践され、生活の中でどのような役割を果たしていたかを示しています。

二十八宿とは?

東洋の古代天文学では、空には特別な星座が二十八あり、これらを「星宿」と呼んでいます。この星宿は、月が約27.3日かけて夜空を一周する道筋に沿って配置されており、月が毎日異なる星宿を通ることから、これらを一つずつ区別しています。

月の運行と星宿

月は、夜空を移動する際に、これらの星宿のいずれかに「宿る」という形で観察されます。つまり、月が一日に一つの星宿を移動することで天空を一周するというわけです。この考え方は、古代インドでも見られ、中国では周の時代にも既に使われていたと伝えられています。

四神と二十八星宿

天空を東西南北の四方向に分け、それぞれの方向を四神(四霊獣)で象徴しています。具体的には、「東は青龍」「西は白虎」「南は朱雀」「北は玄武」とされており、これらの四方向に、それぞれ七つずつ、合計で二十八の星宿が配置されています。

方位 四霊獣 星宿
東方 青龍 角、亢、房、心、尾、箕
北方 玄武 斗、牛、女、虚、危、室、壁
西方 白虎 奎、婁、胃、昴、畢、觜、参
南方 朱雀 井、鬼、柳、星、張、翼、軫

この表は、東方、西方、南方、北方とそれぞれ関連付けられた四霊獣(青龍、白虎、朱雀、玄武)と、それぞれに割り当てられた星宿を示しています。各方位には七つの星宿が配置されており、合わせて二十八星宿になります。

星宿と人間の関係

古人たちは、これらの星宿が人間の一生や性格、運勢に大きな影響を及ぼすと考えていました。現代でも、生まれた日にちや月を星宿に照らし合わせて、吉凶を占うために用いられているんですよ。例えば、高松塚古墳の天井には、この二十八星宿の図が描かれており、古代人の星に対する深い関心を物語っています。

二十八宿の意味と吉凶

東方・青龍七宿

星宿 読み 吉事例 凶事例
かく 衣類の仕立て、柱立、造作、井戸掘り、結婚祝事。 葬儀。
こう 祝事、婚約、種まき、衣類の仕立て。 造作、移転、旅行。
ぼう 結婚、棟上げ、衣類着初めなどすべてに用いてよい吉日。 なし。
しん 神仏祭祀、帰郷。 旅行、移転、建築、葬式。
結婚、開店開業、造作。 衣類の仕立て、着初め。
開店、普請造作、衣類の仕立て、着初め。 葬式。

この表は、青龍に属する星宿ごとの吉凶事例を示しています。各星宿には特定の行事や活動が吉とされ、また特定の事項に対して凶とされる場合があります。星宿の特性を理解することで、適切な日を選んで行事を行う際の参考になります。

北方・玄武七宿

星宿 読み 吉事例 凶事例
衣類の仕立て、造作、井戸掘りなど建造事。 なし。
ぎゅう 神仏に参詣、供養事。 なし。
おんな 芸事。 普請造作、衣類の仕立て、開店移転、葬式。
きょ なし。 結婚、造作、移転、衣類の仕立て。
なし。 結婚、造作、移転、衣類の仕立て。
しつ 普請造作、結婚、祝い事。 衣類の仕立て、葬式。
へき 家屋の新築、造作、結婚、衣類の仕立て、着初め。 なし。

この表は、玄武に属する星宿ごとの吉凶事例を示しています。それぞれの星宿には、特に吉とされる事項と凶とされる事項があります。適切な日を選んで行うことで、吉事をより良く進めることができるでしょう。

西方・白虎七宿

星宿 読み 吉事例 凶事例
けい 衣類の仕立て、衣類の新調、井戸掘り、芸事始め。 新規開店、造作、移転(開店については意見が分かれる)。
ろう 衣類の仕立て、着初め、結婚、造作。 なし。
なし。 万事、特に普請、衣類の仕立て、葬式。
ぼう 万事、願望成就、神仏に参詣。 なし。
ひつ 普請造作、移転、神仏に参詣。 なし。
なし。 万事、特に衣類の仕立て。
しん 結婚、縁談、契約、開店、普請造作。 葬式と埋葬。

この表は、白虎に属する星宿ごとの吉凶事例を示しています。各星宿には特定の行事や活動が吉とされるものがあり、一方で避けるべき凶事も指摘されています。これにより、行事を計画する際に最適な日を選ぶための参考になるでしょう。

南方・朱雀七宿

星宿 読み 吉事例 凶事例
せい 結婚、井戸掘り、造作。 衣類の仕立て、葬式。
万事、神仏祭り事。 なし。
りゅう なし。 結婚、井戸掘り、着初め、葬式。
せい なし。 結婚、衣類の仕立て、葬式。
ちょう 結婚、衣類の仕立て、着初め、造作、移転。 なし。
よく 種まき、樹木の植え替え。 万事。
しん 結婚、棟上げ、土地建物の購入、移転。 衣類の仕立て。

この表は、朱雀に属する星宿ごとの吉凶事例を示しています。各星宿では、行うべき吉事と避けるべき凶事が明示されており、計画を立てる際の大切な指針になります。

 

 

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