七箇の善日(ななこのぜんにち)は、日本の伝統的な暦における特に縁起の良いとされる七つの吉日を指します。これらの吉日は、天赦日、大明日、母倉日、月徳日、天恩日、神吉日、鬼宿日といいます。それぞれの吉日は特定の時期に訪れ、様々な行事や神事に最適とされています。古くから、日本人はこれらの吉日を生活の中で重要視し、結婚や新築、引越しなどの大切な行事を行う日に選んできました。
本記事では、七箇の善日についてそれぞれの特徴や適した行事、またその由来について詳しく解説していきます。これを参考にして、大切なイベントの日取りを決める際の参考にしていただければと思います。
七箇の善日とは
七箇の善日(ななこのぜんにち)は、日本の暦における七つの吉日を総称したものです。これらの吉日は、天赦日、大明日、母倉日、月徳日、天恩日、神吉日、鬼宿日の七つです。それぞれの吉日は、特定の日に行われる神事や慶事に最適とされてきました。
天赦日(てんしゃび、てんしゃにち)
天赦日は、日本の暦の中で最も縁起が良い日とされています。年に5~6回しか訪れませんが、あらゆる障害が取り除かれ、何をやってもうまくいくとされる日です。
特徴
- 百神が天に昇り万物の罪を赦す日
- 新しく物事を始めるのに最良の日
効果
- 凶日が重なると半減されるが、吉日が重なると効果は倍増
大明日(だいみょうにち)
大明日は、天と地の道が開き、太陽が世の中の隅々まで明るく照らす日です。特に結婚や入籍、建築、旅行などに適しています。
特徴
- 太陽の恵みが授けられる縁起の良い日
- 25の干支によって決まる
やると良いこと
- 入籍、結婚式
- 車の納車(ただし、六曜の赤口は避ける)
- 地鎮祭や上棟式など建築に関する行事
大明日の決め方
大明日の日付は、25ある干支によって決まります。
己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉・丁丑・己卯・壬午・甲申・丁亥・壬辰・乙未・壬寅・甲辰・乙巳・丙午・丁未・己酉・庚戌・辛亥・丙辰・戊午・己未・庚申・辛酉
吉日の中でも訪れる頻度が比較的高いため、他の吉日と重なることが多く、より縁起のよい日とされています。
母倉日(ぼそうにち)
母倉日は、母が子を育てるように天が人間を慈しむ日です。特に女性にとっておめでたい日とされています。
特徴
- 江戸時代から存在する吉日
- 24節気を基準とした節月で決まる
やると良いこと
- 結婚式、入籍、引越し、家の新築など婚姻に関する行事
- 両家の顔合わせや婚姻届・出生届の提出
母倉日の決め方は節月
月 | 節月 | 日付 |
---|---|---|
1月・2月 | 春 | 亥・子 |
4月・5月 | 夏 | 寅・卯 |
7月・8月 | 秋 | 丑・辰・未・戌 |
10月・11月 | 冬 | 申・酉 |
3月・6月・9月・12月 | 土用 | 巳・午 |
月徳日(つきとくにち、がっとくにち)
月徳日は、その月の福徳を受けられる日で、特に引越しや建築、リフォームと相性が良いです。
特徴
- 二十四節気を基準とした節月で決まる
- 月に3~4回訪れる
やると良いこと
- 引越しや建築、リフォームなど土に関わる行事
月徳日の決め方
月 | 節月 |
---|---|
1月・5月・9月 | 丙(ひのえ) |
2月・6月・10月 | 甲(きのえ) |
3月・7月・11月 | 壬(みずのえ) |
4月・8月・12月 | 庚(かのえ) |
天恩日(てんおんび、てんおんにち)
天恩日は、天の恩恵をすべての人が受ける吉日です。万事が成長しやすく徳を得やすいとされています。
特徴
- 15の干支で決まる
- 吉日が5日間続くことがある
天恩日は、15の干支で決まります。
甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰・己卯・庚辰・辛巳・壬午・癸未・己酉・庚戌・辛亥・壬子・癸丑
になります。
神吉日(かみよしにち、かみよしび)
神吉日は、神社に参拝することで神徳を受けられる日です。神事に関連する行事に最適です。
特徴
- 33もの干支によって決まる
- 1年の半分以上訪れる
やると良いこと
- 神社参拝、神棚を造る、祖先を祀る
神吉日は月には関係なく、33ものある干支によって決まります。
己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉・丁丑・己卯・壬午・甲申・丁亥・壬辰・乙未・壬寅・甲辰・乙巳・丙午・丁未・己酉・庚戌・辛亥・丙辰・戊午・己未・庚申・辛酉
25ある干支によって決まる大明日よりも回数が多いため、1年の半分以上やってきます。
鬼宿日(きしゅくび)
鬼宿日は、鬼が宿にこもり出歩かないため、鬼に邪魔されずに何事もうまくいく吉日です。また、お釈迦様が生まれた日でもあります。
特徴
- 鬼に邪魔されない日
- お釈迦様が生まれた日
七箇の善日が吉日や凶日と重なった場合
吉日と重なった場合
吉日が重なると、その縁起の良さがさらに強まり、効果が倍増します。
凶日と重なった場合
凶日と重なった場合の考え方は3つあります。
- 吉の力が強く、凶が打ち消される
- 凶の力が強く、吉が弱まる
- 吉と凶の力が相殺される
凶日と重なると縁起が弱まるため、避けた方が無難です。
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