夏の終わりを感じる「処暑」の時期。この記事では、処暑とは何か、2024年の処暑の日付、処暑を彩る七十二候、さらに処暑の過ごし方や歳時記について深掘りします。
「処暑（しょしょ）」とは何か？
「処暑」の「処」は止まる、という意味。これは暑さが落ち着く時期を示しています。古くからの解説書『暦便欄』には、「陽気とどまりて、初めて退きやまむとすればなり」と記されています。残暑はまだ厳しいものの、夏の強い太陽の勢いは少し鎮まり、過ごしやすい朝晩が訪れます。しかし、台風のシーズンでもあるので、天気の変わりやすさには注意が必要です。
処暑の期間2024年はいつからいつまで？
2024年の「処暑」は、8月22日から9月6日まで。この期間は太陽の動きに合わせて毎年微妙に変動します。処暑の次の節気は「白露」、前の節気は「立秋」となります。
「処暑の候」の季語としての使用時期
「処暑」は、二十四節気のひとつで、その名の通り「暑さが処される」という意味合いから、夏の暑さがピークを越え、少しずつ秋の気配が感じられるようになる時期を指します。二十四節気は、中国の古代から使われてきた太陽暦に基づく季節の変化を示すもので、これが日本にも伝わり、多くの伝統文化や生活習慣に取り入れられてきました。
「処暑の候」「処暑の折」「処暑のみぎり」は、この処暑の時期を指す時候の挨拶や表現であり、手紙や俳句などの文学作品で使われることが一般的です。
時候の挨拶としての使用
手紙の冒頭や結びに使われることが多い「時候の挨拶」は、その時期の季節感を表現し、相手に季節の移ろいや風情を伝える役割があります。例えば、8月23日から9月7日の間に手紙を書く際、冒頭に「処暑の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」というように使用されます。
俳句における季語としての使用
俳句は、季節感を大切にする文学形式であり、それぞれの季節に対応する「季語」を詠むのが基本とされています。「処暑」もその一つで、初秋の季語として詠まれることが多いです。処暑の時期に感じる微妙な季節の変わり目や、それに伴う自然や人々の様子を表現する材料として使われます。
「処暑」を季語として取り入れた俳句の例: 「処暑の日暮れそば立つ甲の声」
この俳句では、初秋の夕暮れ時に聞こえてくる虫の声、特に甲虫の声を感じ取ることで、夏の終わりと秋の訪れを表現しています。
このように、「処暑」は日常の挨拶や文学作品で、季節の移ろいや風情を伝える重要なキーワードとして用いられています。
処暑のスピリチュアル
処暑（しょしょ）は、季節が夏から秋へと移り変わる象徴的な暦の節目となります。この時期は、夏の暑さと秋の涼しさが混在し、自然界の中で夏と秋の美しさを同時に感じることができます。文字通り「暑さが処される」という意味で、夏の暑さが落ち着き始める時期を指します。
古来の暦と現代の感じ方
昔の人々がこの暦を制定した頃は、残暑の中、夏の終わりを迎える頃でした。現代の気候変動により、まだ暑さが厳しい地域も多いかもしれませんが、その名にちなんで夏の終焉と新しい季節の到来を感じ取ることができるでしょう。
夏と秋の心象風景
夏は活気に満ち、太陽の下で元気に活動するイメージがあります。対照的に、秋は穏やかで静かな時期として捉えられ、人々の気持ちも落ち着きを見せることが多いです。この夏と秋の違い、特に春と夏の変わり目よりも感じることが強いのはなぜでしょうか。
心の変化に気をつけて
日が短くなり、夜が長くなるこの時期、一年中で最も活発だった夏の終わりとともに、人々の気持ちも変化します。日照時間が減少することで、気持ちが沈んでしまう人も多いでしょう。また、台風などの気象変動が起こりやすいこの時期、長雨なども心の動揺をもたらす要因となるかもしれません。
自分のペースで過ごす秋の訪れ
しかし、そのような気持ちの変化の中でも、自分自身を大切にし、無理せず、自分らしいペースで生活することが大切です。夏のような高いテンションで常に活動的であることが必要ではありません。処暑のこの時期、自分の心と身体を大切にし、新しい季節を迎える準備をしてみませんか。
この季節を感じ、古来からの暦の知恵と現代の生活スタイルを組み合わせて、心豊かに過ごすヒントを提供することが、このブログの目的となります。
処暑の七十二候
二十四節気のひとつとして、毎年8月23日頃に処暑を迎えます。「処暑の候」は毎年8月23日頃から9月6日頃までの期間を指し、この時期のあいさつとして「処暑の時期ですが」と使われます。
この処暑の七十二候です。
処暑は暑さがおさまる時期を指し、暑さの峠を越すころのことを示します。
- 初侯：綿柎開（8月23日頃） 綿の実が破れ、白くふわふわした綿が姿を現します。
- 次侯：天地始粛（8月28日頃） これまでの強い暑さが和らぎ、ようやく涼しさを感じる時期が到来します。
- 末侯：禾乃登（9月3日頃） 稲穂がしっかりと実り、重さで頭を垂れる時期。このころの稲穂は、実りの象徴として重視されます。
処暑にやること
厳しい残暑が徐々に和らぎ、朝夕の涼しい風が感じられるようになる処暑。この時期は、虫の音を楽しんだり、初秋の風情を味わったりするのがおすすめです。ただし、台風の影響も考えられるため、天気の変化には注意を払いましょう。
夏の終わりと新学期の始まり
夏休みが終わり、新学期が始まる時期でもあります。子どもたちは夏休みの宿題のラストスパートを迎え、新たな学期の準備に追われるでしょう。
京都の伝統行事「地蔵盆」
京都を中心とした地域での風物詩として、「地蔵盆」が8月24日を中心に行われます。この行事では子どもたちが主役となり、地域を守り地獄の鬼から子どもたちを救う守り神、お地蔵様の供養が行われます。
「残暑見舞い」
夏の終わりを告げる「残暑見舞い」は、8月末までには届けるよう心掛けましょう。特に立秋から処暑までの期間が目安です。
二百十日と台風の警戒
処暑は台風の活発な時期でもあります。特に、「二百十日」（2023年は9月1日）は台風を警戒する重要な日で、古くから農家の三大厄日として知られています。「おわら風の盆」のように、風を鎮める祭が各地で行われています。
9月1日「防災の日」
9月1日は「防災の日」としても知られ、1923年に発生した関東大震災の慰霊と防災意識の向上を目的としています。この日には避難訓練や防災用品の点検を行うことが推奨されています。 ▷9月1日「防災の日」の由来、雑節「二百十日」、風祭りとの関係
夏のお手入れと収納
夏の帽子や浴衣の季節も終わりを迎えます。次のシーズンに向けてのお手入れや収納方法を学ぶことで、品物を長持ちさせることができます。
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