2024年11月21日は赤口

しめ縄の本当の意味と結界と蛇

しめ縄の本当の意味と結界と蛇 お正月と大晦日

日本の伝統文化の中で、新年の訪れとともに目にする「しめ縄」。その独特の形状とデザインは、多くの人々に縁起の良いものとして親しまれています。しかし、しめ縄の背後には、結界や蛇といった神秘的な意味が深く結びついています。本記事では、このしめ縄が持つ「結界」と「蛇」というキーワードの関連性や歴史的背景に迫り、その真の意味を解明します。現代に生きる私たちが、古代の知恵や信仰を身近に感じる瞬間を共有しましょう。

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しめ縄の本当の意味、結界

日本の伝統文化の中で、神社や家の入口に見かける「しめ縄」。このしめ縄は、ただの装飾としての役割だけでなく、日本古来の信仰や習慣と深く結びついています。今回は、その意味や由来について解説します。

しめ縄の由来

しめ縄の起源は、日本神話の「天岩屋戸」にまで遡ります。伝説によれば、太陽神である天照大神が天岩屋戸に閉じこもってしまい、彼女を外に引き出すための策として、神々が様々な手を尽くします。天照大神が出てきた際、彼女が再び引きこもらないようにと、しめ縄を張って入り口を封鎖したのが始まりとされています。

しめ縄の意味は結界

この伝説を元に、しめ縄は神域と私たちが住む現世を区切る結界の役割を果たすようになりました。つまり、神様の存在する場所や神様を奉る場所を示す目印として、また邪気を払う力を持つと考えられています。そのため、神社の境内やご神木、神様が宿ると信じられている場所には、しめ縄が張られるのです。

しめ縄は神聖な領域と現世との境界線、神様の領域を示し、不浄なものが侵入しないようにするためのものと言えます。

しめ縄の形状とその意味

しめ縄にはさまざまな形状がありますが、最も一般的なのは神棚に飾られる「ごぼう締め型(大根締め)」です。この形状のしめ縄の本体は、神の降臨を呼び込む「雲」を表しています。また、ギザギザの紙垂(しで)は「雷」を示し、垂れ下がる「〆の子」は「雨」を意味します。これらは五穀豊穣を願う象徴として、しめ縄に取り入れられています。

地域ごとのしめ縄のバリエーション

日本各地では、地域ごとに独特のしめ縄の形状があります。それぞれの形状には、地域の歴史や風土、信仰が反映されています。神社を訪れる際には、その地域独自のしめ縄をじっくりと観察するのも楽しみの一つです。

しめ飾りとは?

一方、しめ飾りは、しめ縄をベースに縁起物や装飾品を取り付けたものを指します。しめ縄自体が結界の役割を果たしている中、その上にさらに幸運を招き入れるような縁起の良い物を添えることで、一年の安全や繁栄を祈願する意味合いが強くなります。

しめ縄に正月の飾り付けをした

しめ飾りは、しめ縄に正月の飾り付けをしたもので、新しい年を迎える際の祝福や祈願の意味が込められています。神様をお迎えする目的で飾られることが多いため、しめ縄とはややニュアンスが異なります。現代では、神域を示すものとしてのしめ縄と、お迎えや祈願の意味を持つしめ飾りというように、二つの意味合いで捉えるのが一般的です。

飾る場所による意味の違い

しめ縄やしめ飾りを飾る場所によっても、その意味合いは異なります。例えば、家の玄関に飾る場合、家族の安全や繁栄を願う意味が込められています。一方、商業施設やオフィスに飾る場合は、その年の商売繁盛や仕事の成功を願うものとなります。

しめ縄と蛇

これまで紹介したように注連縄の起源は、古事記に記されています。
天照大神が須佐之男命の乱暴を恐れ、天石屋戸に隠れたというエピソードで知られる話です。天宇受売命(あめのうずめのみこと)らの神々が天石屋戸の前で宴を開き、興味を引きつけた天照大神を外へ引き出すために計画した舞いが行われました。天手力男神(あめのたぢからおう)が天照大神の手を取り、布刀玉命(ふとだまのみこと)が「尻久米縄(しりくめなわ)」を戸口に張り、「ここより内に戻れませぬぞ」と宣言したのです。注連縄の原型とされる「尻久米縄」のこのエピソードは、神との絆や障壁を示すものとして語り継がれています。

ちなみにこの宮崎県西臼杵郡高千穂町の天岩戸神社がそこだと言われています。しめ縄発祥の地と呼ばれていますね!

【公式】天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)|天岩戸神話|宮崎県|高千穂町
天岩戸神社は、宮崎県高千穂町に鎮座し、日本神話(古事記・日本書紀)の中に書かれております天照大御神様のお隠れになられた天岩戸と呼ばれる洞窟を御神体として御祀りしており、天岩戸神話の舞台となった場所でございます。 岩戸川をは...

この注連縄の形状や意味については、さらに深い背景が存在します。

注連縄の形は「蛇の交尾」

注連縄の形は「蛇の交尾」を模したものであるという考察があります。日本の蛇信仰は縄文時代から続いており、蛇の強烈な生命力、再生能力、そして男性的な形状などが信仰の対象となってきました。これらの信仰が縄文土偶や有頭石棒、さらには常陸風土記やヌカヒメ伝承などの伝承にも現れています。

蛇の形や特性は多くの日本の伝承や文化に影響を与えてきました。例えば、正月の「鏡餅」は蛇が輪になった形をしており、関西では丸餅が蛇の卵を模しているとされます。また、蛇の古語である「カカ」は、「鏡」や「カカシ」などの言葉の起源とも考えられています。

しめ縄が「蛇」を象徴しているという視点から見ると、その形状や組み合わせは確かに蛇が絡み合っているようにも見えます。蛇は日本の神話や伝承の中でも重要な役割を果たしており、須佐之男命が退治した八俣大蛇(ヤマタノオロチ)や豊玉姫などが有名です。

注連縄は単に神域と私たちの現世を隔てる道具としての役割だけでなく、日本人の古代からの信仰や畏怖、憧れを結びつける象徴としての役割も持っていることが分かります。その中でも、蛇信仰との深い関係性は、注連縄が持つ多層的な意味を理解するための鍵となるでしょう。

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