毎年12月13日は、日本の伝統的な「正月事始め」の日です。この日から始まるのは、お正月を迎えるための準備の数々。煤払い、松迎え、餅つきなど、新年の幕開けに欠かせない儀式が、この日から少しずつ始められます。
11月の酉の市が終わり、12月になれば年の瀬…師走です。正月準備を始める季節になってまいりました!
正月事始めとは、正月の準備を始める日
毎年12月13日は、日本の伝統的な「正月事始め」の日です。この日から始まるのは、お正月を迎えるための準備の数々。煤払い、松迎え、餅つきなど、新年の幕開けに欠かせない儀式が、この日から少しずつ始められます。
正月は歳神様がやってくる日
お正月は、年神様を祀るための行事です。年神様とは、年が明けると同時に降臨し、新たな1年の幸せをもたらす神様。お正月の準備は、この神様をもてなすためのものでした。
正月事始めの由来と歴史と変遷
もともとは12月中旬頃から始まる正月準備ですが、江戸時代中期まで使われていた宣明暦によれば、12月13日は婚礼以外は万事に大吉とされる「鬼宿日」でした。二十七宿が「鬼」になるのです。そのため、この日が年神様を迎える準備を始めるのに適しているとされ、「正月事始め」として定着しました。改暦後も、この日付は変わらず続いています。
地域による違い
『歳時故實大概』によれば、2月8日を事始、12月8日を事納とする説があります。江戸では12月8日を事始めとする地域もあり、尾張では12月13日が事始めでした。また、京都祇園では芸妓や舞妓がこの時期に芸事の師匠宅や茶屋を訪れる習わしがあります。
事八日と事始めに関してはこちらを読んでくださいね!
現代における意味
今日でも、正月事始めは新年を迎える準備の始まりとして大切にされています。伝統的な風習を守りつつ、新しい年を清らかに迎えるための心構えを示す日となっています。
正月事始めにやること
正月事始めは、新年を迎えるための日本の伝統的な準備行事です。この期間には、家や街が新年の祝福を受け入れる準備をします。主な行事には「煤払い」、「松迎え」、そして「年男」の役割があります。
煤払い:家を清める儀式
事始めの最初の仕事は「煤払い」です。煤払いは、年神様を迎えるために行われる家の清掃です。昔は火種が薪や炭であったため、天井や壁に煤が溜まりやすかったのです。江戸城で行われた煤払いが、江戸庶民にも広がり、大掃除の形として定着しました。使用される道具は「煤梵天」と呼ばれる竹竿の先に藁を取り付けたもので、これで高い場所の煤を払います。特に大店と呼ばれる商家では、煤払いが終わると、主人を胴上げして祝宴を開く習慣もありました。これは、きれいに掃除された家に年神様がご利益をもたらすという信仰に基づいています。
大掃除、すなわち煤払いは、1年分の穢れや厄を祓い、家を清める神事でもあったのです。
竃の掃除は念入りに、現代では台所掃除ですね!
特に重要視されたのは竃(かまど)の掃除で、火の神である荒神様が宿るとされ、家の運を司る神様として尊重されました。竃の清掃は、家の運を守るためにも重要な役割を果たしていました。
現代では台所掃除ですね!
松迎え:お正月の飾り付けを始める日
松迎えは、門松を作るための松や、おせち料理を調理するための薪を採りに行く行事です。12月13日に行われるこの習慣は、お正月の準備の重要な一環です。また、この時期にお歳暮を贈るのも、正月用のお供え物としての意味合いがあります。
正月飾りを買いに行く日、鏡餅を買う日
さて、スーパーなどに行くと11月も終わりとなればすでに正月用品を売られているところも多いですね。
この正月飾り…縁起の良い日に買いたいものです。でも縁起が良いからといって11月中に買うのは早すぎかもしれません。
そう、正月飾りである鏡餅、門松、しめ飾りなどはこの正月事始めの13日(地域によっては八日)以降に買う方も多いです。松迎えも13日以降ですし。ただ、近年は12月に入れば良い!というところも多いです。
正月飾りを買う日についてはこちらも読んでね!
年男:お正月を取り仕切る役割
年男は、その年の干支にあたる男性のことを指し、もともとはお正月の行事を取り仕切る人を指していました。昔は家長がこの役割を担い、大掃除や飾りつけ、年神様への供え物、おせち料理の準備などを行っていました。時間が経つにつれ、若い人々や家庭の女性がこの役割を担うようになりました。
正月事始めは、単なる準備期間以上の意味を持ちます。それは家族の絆を深め、新年を迎える心の準備をする時期でもあります。伝統的な習慣を守りながら、新しい年を迎える準備をすることで、日本の文化を次世代に伝えていくことができます。
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