立冬(りっとう)は、暦の上で「冬の始まり」を告げる節気です。空気の冷たさが増し、木枯らしや初冠雪の便りに心が動く頃。2026年・2027年の立冬はいつなのか、立冬とは何か、行事や過ごし方、立冬の食べ物、そして「立冬の候」の使い方まで、暮らしに役立つ形でまとめます。
立冬とは、冬の訪れを告げる季節の節目
立冬は、二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつで、冬の始まりを示します。二十四節気は太陽の動きを基準に一年を24に区切った「季節のものさし」で、立冬はその19番目にあたります。立春・立夏・立秋・立冬は「四立(しりつ)」と呼ばれ、季節が切り替わる重要な節目です。
言葉の通り「冬が立つ=冬の気配が立ち上がる」タイミング。『暦便覧』には、立冬を「冬の気立ち初めて、いよいよ冷ゆれば也」と記し、冷え込みが増していく季節感を伝えています。
ただし、立冬=いきなり真冬、ではありません。日中は過ごしやすい日もあり、地域によって体感は大きく違います。それでも、日差しの角度や夕暮れの早さ、朝の空気の乾き方に「冬へ向かう流れ」がはっきり出てくるのが立冬の頃です。
2026年・2027年の立冬はいつ?冬の始まりはいつから?
立冬は年によって日付が少し前後します。目安としては11月7日〜8日頃に始まり、次の節気「小雪(しょうせつ)」の直前までが立冬の期間です。
| 年 | 立冬(始まり) | 立冬の期間の目安 | 小雪(次の節気) |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 11月7日 | 11月7日〜11月21日頃 | 11月22日 |
| 2027年 | 11月8日 | 11月8日〜11月21日頃 | 11月22日 |
2026年は11月7日が立冬で、11月22日に小雪へ移ります。
2027年は11月8日が立冬で、同じく11月22日に小雪へ移ります。
「冬の始まり」は暦の話、体感は地域差がある
「冬の始まりはいつ?」と聞かれたとき、暦の答えは立冬です。一方で、天気や気温は年によって違い、都市部では秋の余韻が残ることもあります。だからこそ、立冬は“気温”よりも“流れ”を見る節気。冬の入口で「備える」「整える」ことに意味があります。
立冬の季節がやってくると起こる変化:木枯らしと初冠雪
立冬の頃は、冷たい北寄りの風が吹き、落ち葉が増え、朝晩の冷え込みがはっきりします。ニュースで「初冠雪」「初霜」が聞こえはじめるのもこの時期です。
木枯らし一号:冬の足跡を感じる風
「木枯らし(こがらし)」は、晩秋から初冬にかけて吹く、冷たく強い北寄りの風のこと。気象の世界では、一定の条件を満たした最初の木枯らしを「木枯らし1号」として発表することがあります。
木枯らしが吹くと、体感温度が一気に下がり、肌が乾燥しやすくなります。ストールや手袋、のどケア用品など「冬小物」を早めに出しておくと、立冬の揺らぎに振り回されにくくなります。
立冬の行事とやること:七五三、亥の子餅、冬支度
立冬は、季節の節目として行事が多く、暮らしのスイッチを切り替える時期でもあります。「立冬にやること」を迷ったら、行事と季節の作法をヒントにすると、自然に整っていきます。
立冬の行事:七五三(子どもの成長と健康を願う神事)
七五三は、子どもの成長を祝い、健やかな未来を祈る行事です。一般的には11月15日を中心に、家族で神社に参拝します。立冬の時期と重なるため、「立冬の行事」として意識されやすい代表格です。
由来としては、3歳の「髪置き」、5歳の「袴着(袴儀)」、7歳の「帯解き」など、成長の節目を社会的に祝う意味がありました。千歳飴は“細く長く”の縁起を担ぎ、家族で健康長寿を願う象徴でもあります。
立冬の行事:亥の子餅(繁栄と健康を祈る伝統)
亥の子(いのこ)は、旧暦10月(亥の月)の亥の日に行われる季節行事で、西日本を中心に「亥の子餅」を食べて無病息災・家内安全、そして多産の猪にあやかった子孫繁栄を祈ります。収穫の祝いと感謝の意味合いも持つ、と伝えられています。
立冬とぴったり同日になる年もあれば、前後する年もあります。ポイントは日付よりも、「冬を迎える前に家の火と体を守る」という感覚。寒さが強まる入口で、“守りの儀式”を入れるのが亥の子の美しさです。
お茶の湯では立冬が「新年」になることがある
茶の湯の世界では、11月に炉(ろ)を開き、冬の茶の季節へ切り替える「炉開き」が大きな節目になります。立冬の頃に炉開きを行い、その年に摘んだ茶葉を使う準備が整うため、茶人の間では“新しい年の始まり”のように大切にされてきました。
「立冬が新年」という言い方は、暦の新年とは別の、心の区切りとしての表現。立冬は、生活のテンポや家の空気を“冬仕様”に整えるタイミングでもあるのです。
立冬にやること:冬支度チェック(暮らし編)
立冬は「冬の入口」。一気に完璧を目指すより、少しずつ準備して、寒さの波に負けない状態を作るのがコツです。
- 衣替えの最終調整:厚手の上着、あったかインナー、タイツ類を“すぐ取れる場所”へ。
- 寝具の切り替え:毛布や掛け布団を早めに。冷えは睡眠の質を落とします。
- 乾燥対策:加湿器、濡れタオル、のど飴、保湿クリームをセットで準備。
- 冷え対策の食材:しょうが、ねぎ、根菜、味噌、出汁のストックがあると強い。
- 冬家電の安全点検:ストーブやヒーターは埃を取り、換気の導線も確保。
立冬にやること:心を整える“冬の入り口”の習慣(スピリチュアル視点)
立冬は、外の世界が静かになっていくぶん、心の声が聞こえやすくなる時期です。スピリチュアル的には「内側を整える季節の門」。大きな願いを押し出すより、足元を温めるような過ごし方が運を底上げします。
- 玄関を整える:靴を揃え、不要な紙袋や古い傘を手放す。入口が軽いと気分も軽くなります。
- 温める習慣を作る:白湯、湯船、首・足首を冷やさない。体が落ち着くと不安も薄まります。
- “終わらせる”を一つ決める:やめたい習慣、放置している連絡、溜めたメモ。小さな完了が冬を強くします。
立冬の候はいつ使う?季節を感じる日本の時候の挨拶
「立冬の候(りっとうのこう)」は、立冬の時期に使う時候の挨拶です。だいたい11月上旬〜11月下旬手前、つまり立冬から小雪の前日あたりまでが目安になります。
手紙やはがき、改まったメールの書き出しで季節感を添えたいときに便利です。
例(改まった文)
拝啓 立冬の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
例(やわらかい文)
立冬の候、朝晩の冷え込みが増してまいりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
似た表現としては「立冬のみぎり」「立冬の折」「晩秋の候」などがあります。相手との距離感や文面の温度に合わせて選ぶと、季節の挨拶が“形だけ”にならず、ちゃんと届きます。
立冬の食べ物と行事食:立冬は何を食べる?
「立冬の食べ物」「立冬食べ物」「立冬の行事食」を調べる人は多いのですが、日本全体で“立冬の日はこれ”と決まった行事食が広く定着しているわけではありません。だからこそ立冬は、「冬の体を作る食べ方」に意識を向けると、季節の行事としての満足度が上がります。
立冬の時期におすすめの食材:冬瓜の魅力
立冬の食卓で話題にしやすいのが「冬瓜(とうがん)」です。名前から冬の野菜と思われがちですが、収穫は夏。それでも皮が厚く保存性が高いため、秋から冬にかけても楽しめることから「冬の瓜」と呼ばれてきました。
冬瓜はカリウムが多く、余分な塩分の排出を助ける働きが期待できます。冬は味が濃い料理や漬物などで塩分が増えがちなので、冬瓜の煮物やスープは、体のバランスを整える一品になりやすいです。
立冬の旬の食べ物(冬の入口にうれしい食材)
立冬の頃は、秋の恵みと冬の走りが同居します。体を温め、乾燥から守るためにも、旬の力を借りるのがおすすめです。
- 梨:みずみずしさが喉を潤し、乾燥が気になる季節にうれしい果物。
- 柿:ビタミンCが豊富で、冬の体調管理に役立つ代表格。
- りんご:食物繊維も取りやすく、朝の習慣にすると整いやすい果物。
- さつまいも:ほくほくした甘さで満足感が高く、冷えやすい時期に向く。
- ゆず:香りが心身をゆるめ、冬の入口に気分転換としても優秀。
- 銀杏:ほろ苦さが季節感。食べ過ぎには注意しつつ、少量で楽しむ。
- ごぼう:食物繊維が多く、根菜らしい“土の力”で体を支える。
- しょうが:温め食材の代表。飲み物や汁物に少し足すだけで体感が変わる。
- 大根:煮る・おろす・漬けるで万能。胃腸が疲れやすい季節の味方。
- ねぎ:鍋や汁物で主役級。立冬の頃から出番が増えます。
- れんこん:穴が開いて先が見通せることから縁起物としても親しまれる。
- 牡蠣:冬の代表的な海の幸。鉄分や亜鉛などを取りたい人にも人気。
- 冬瓜:さっぱりした煮物やスープで、食べ疲れをやさしく整える。
秋刀魚(さんま)など“秋の魚”も、年によっては晩秋まで楽しめます。ただ、近年は旬が揺れやすいので「無理に立冬に固定」せず、その年の美味しいものを選ぶほうが満足度は高いです。
おすすめの食事は鍋:立冬の食卓にいちばん合う
立冬の頃の食事で最強なのは、やはり鍋です。理由はシンプルで、旬の野菜をたっぷり入れられ、体の芯から温まり、後片付けも比較的ラクだから。仕事や家事で疲れやすい時期に、鍋は“整える料理”として優秀です。
だしを効かせた鍋に、ねぎ・大根・ごぼう・きのこ類、そして豚肉や鶏肉を合わせると、温めと回復のバランスが取りやすくなります。仕上げにしょうがを少し足すと、立冬らしい「冬の入口の味」になります。
中国の立冬は餃子を食べることがある
立冬の行事食としてよく知られるのが、中国の一部地域で“立冬に餃子を食べる”風習です。餃子の形が耳に似ていることから「冬でも耳が凍らないように」という言い伝えがあり、寒さに備える食文化として語られます。
地域によっては立冬ではなく冬至に餃子を食べる場合もあり、固定ルールというより「冬を迎える合図として食べる」イメージが近いようです。
スピリチュアル目線で見るなら、餃子は“包む”食べ物。自分のエネルギーを漏らさず、冬を越える力を内側に蓄える象徴にもなります。温かいスープで水餃子にすると、さらに“守り”のムードが強くなります。
特に立冬に食べたい食材:りんご・れんこん・牡蠣
立冬の入口は、疲れやすさが出やすい時期でもあります。そこで、心身を立て直す“主役級の食材”を選ぶのもおすすめです。
果物:りんご
日常的に取り入れやすく、食物繊維も取りやすい果物。朝に少し食べるだけでも、立冬の「整えるリズム」を作りやすくなります。
野菜:れんこん
縁起が良いだけでなく、シャキッとした食感が「だるさ」にブレーキをかけてくれる食材。きんぴら、はさみ焼き、すりおろして汁物に入れるなど、温め料理とも相性がいいです。
魚介:牡蠣
冬の海の幸の代表。体を支える栄養を取りたい時期に人気です。体調が気になるときは、しっかり加熱して鍋やスープにすると安心感も増えます。



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