太宰府天満宮といえば、学問の神様・菅原道真公をお祀りする全国的にも有名な神社です。受験シーズンには合格祈願に訪れる人が後を絶たず、観光地としても多くの人に親しまれています。そんな太宰府天満宮のおみくじには、ちょっと珍しい特徴があります。それは、「凶がない」ということ。そして、大吉に書かれた和歌にも、深い意味が込められています。この記事では、太宰府天満宮のおみくじの特徴や大吉の確率、和歌の意味まで解説していきます。
太宰府天満宮とおみくじの特徴
太宰府天満宮は、学問の神様として知られる菅原道真公をお祀りする由緒ある神社です。日本三大天神のひとつに数えられ、全国から受験生や学びに励む方々が訪れます。境内には梅が咲き誇り、参道を彩る赤い太鼓橋や石畳の美しい景観は、訪れる人々の心を落ち着かせてくれます。そんな静寂の中で引くおみくじは、「前向きな気持ちを大切にしてほしい」という道真公の慈悲深いお心を感じさせる仕様になっています。
太宰府天満宮とは
太宰府天満宮は、福岡県太宰府市にある日本有数の神社で、学問の神様として知られる菅原道真公をお祀りしています。道真公は平安時代に活躍した学者であり政治家ですが、無実の罪によって太宰府に左遷され、そこで生涯を終えました。死後、彼の無念を慰めるために創建されたのが太宰府天満宮です。境内には約6,000本の梅の木が植えられ、特に春の梅の季節には多くの参拝者でにぎわいます。現在では、学業成就や合格祈願、さらには人生の節目に運を開く神社として、全国から厚い信仰を集めています。
太宰府天満宮のおみくじは凶がない
一般的なおみくじには“大凶”や“凶”などの凶運が含まれますが、太宰府天満宮では「凶をなくし、すべてを吉運として用意する」という独自の配慮がなされています。
- 理由:受験や試験のプレッシャーで不安を抱える学生さんが、凶を引いて落胆しないようにとの思いから。
- 効果:結果がどうであれ、前向きなアドバイスだけを持ち帰ることで、心を強く保ちながら学業や人生に取り組むことができます。
太宰府天満宮のおみくじの運勢の順番
太宰府天満宮のおみくじには以下の5種類の運勢のみが用意されています。
- 大吉(だいきち):最上の幸運を示します。
- 吉(きち):良い運気に恵まれています。
- 中吉(ちゅうきち):おおむね順調ですが、一部注意も。
- 小吉(しょうきち):小さな幸運が積み重なります。
- 末吉(すえきち):控えめながら吉運の兆し。
それぞれの運勢には、学業、仕事、恋愛、健康、金運など、さまざまな項目別のアドバイスが丁寧に書かれており、自分の現状に応じた具体的な指針を受け取ることができます。
太宰府天満宮のおみくじ大吉の確率は約10%
太宰府天満宮のおみくじにおいて、最も期待度の高い「大吉」を引く確率は、およそ10%といわれています。目安としては以下のような割合です。
- 大吉:10%
- 吉 :17%
- 中吉:35%
- 小吉:12%
- 末吉:26%
10回に1回程度の割合で巡ってくる大吉は、引き当てたときの喜びもひとしおです。“大吉を引けたら、その年は学業成就や目標達成の後押しがある”と信じて、多くの人がチャレンジしています。
太宰府天満宮のおみくじに載る和歌の意味
大吉を引くと、菅原道真公が太宰府へ左遷された際に詠んだ和歌が目に留まります。代表的なのが次の一首です。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ
この和歌をかみ砕くと、次のようになります。
- 東風(こち):春風のこと。
- 「東風吹かば」:春風よ、もし吹くならば、
- 「匂ひおこせよ梅の花」:故郷の梅よ、その香りを届けておくれ。
- 「あるじなしとて春な忘れそ」:主人(道真公)がいなくとも、春の訪れを忘れないでほしい。
道真公が京を離れ、異郷の地で学問に励む後輩たちや故郷を思い詠んだこの歌には、「離れていても大切なものを胸に、希望を失わず進んでほしい」というメッセージが込められています。
太宰府天満宮のおみくじの季節ごとのおみくじカラー
太宰府天満宮のおみくじは、月ごとに用紙の色が変わるのも楽しみのひとつです。季節の花や景色をイメージした色合いが、参拝の思い出をより鮮やかにしてくれます。
- 2~3月:紅梅色
- 4~5月:若葉色
- 6~7月:菖蒲(あやめ)色
- 8~9月:薄水色
- 10~11月:紅葉色
- 12~1月:雪景色(白)
その季節ならではの色を楽しみながら引くおみくじは、写真映えもよく、SNSでシェアする人も多いです。
おみくじの楽しみ方とマナー
- 静かな心で引く
心を落ち着け、しっかりと願い事を思い浮かべてからおみくじを引きましょう。 - 良い結果は大切に持ち帰る
大吉や吉を引いたら、大切に財布や手帳に挟んで日々の励みに。 - 注意すべき内容は結び所へ
中吉以下で注意事項が書かれていた場合は、境内の結び所に結んでおくと、災いを遠ざけるといわれています。 - 願いが叶ったらお礼参りを
学業成就や目標達成の後は、感謝の気持ちを伝えるために再度参拝しましょう。
太宰府天満宮のおみくじ番号と和歌一覧
番号と和歌の意味をご紹介します。
番号 | 運勢 | 和歌 | 意味 |
---|---|---|---|
第一番 | 大吉 | 東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ | 春風よ、都を離れた私に梅の香りを届け、離れていても希望を失わずにいてほしいという願い |
第二番 | 吉 | 海ならず たたへる 水の底までも 清き心は 月ぞ照らさむ | 深く澄んだ水底のように清らかな心が、月の光のように周囲を明るく照らすという自信と誠実さを表す |
第五番 | 中吉 | このたびは 幣もとりあへず たむけ山 もみじの錦 神のまにまに | 急な旅で捧げ物を用意できなくとも、紅葉を供える臨機応変な心構えと素朴な祈りの大切さを説く |
第六番 | 末吉 | 久方の 月の桂も 折るばかり 家の風をも 吹かせてしがな | 遠くの月光の桂の枝を折ってでも、我が家に月の風を吹かせたいという強い願いと保護を求める気持ち |
第七番 | 吉 | 海ならず たたへる 水の底までも 清き心は 月ぞ照らさむ | 第二番と同じ和歌が用いられ、清らかな心が周囲を照らすという一貫したメッセージ |
第八番 | 大吉 | 東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ | 第一番と同じ和歌が用いられ、どんな状況でも希望を失わずに前を向き続けるという道真公の願い |
第九番 | 小吉 | 心だに 誠の道に かなひなば いのらずとても 神や守らむ | 誠意ある行いを続ければ、特別な祈りをしなくとも神の守護が得られるという教え |
第十番 | 中吉 | このたびは 幣もとりあへず たむけ山 もみじの錦 神のまにまに | 第五番と同じ和歌が用いられ、感謝の心と素直な供えの姿勢が神に届くことを説く |
第十五番 | 大吉 | 東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ | どんな状況でも希望を失わずに前を向き続けるという道真公の願い |
第二十四番 | 吉 | 海ならず たたへる 水の底までも 清き心は 月ぞ照らさむ | 清らかな心が周囲を明るく照らすという自信と誠実さを表す |
第二十五番 | 大吉 | 東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ | 離れていても大切なものを胸に、希望を失わず進んでほしいという願い |
まとめ
太宰府天満宮のおみくじは、「凶がない」という優しい配慮と、約10%の大吉確率、そして菅原道真公の詠んだ深い和歌のメッセージが特徴です。月ごとの季節色も心を和ませてくれます。受験や試験、大切な節目に訪れた際は、ぜひ前向きな気持ちでおみくじを引き、自分の道を照らす指針として活用してみてください。
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