二十四節気の芒種が過ぎたら、梅雨ですね。
例年、6月11日前後を入梅と呼びます。入梅は雑節の一つ…この入梅と梅雨の違いやこの時期のスピリチュアルについてです。
入梅とはいつあるの
「入梅」は、季節の変わり目を表す雑節の一つで、梅雨の始まりを指す日付を意味します。かつて旧暦に基づいていた時代には、「芒種」の節分(5月)の最初の「壬」(旧暦の日名)の日を入梅と定めていました。他にも芒種から5日目、立春から数えて135日目という決め方もありました。
現代のグレゴリオ暦では、「入梅」は太陽の視黄経が80度になる日とされており、これは約6月11日頃に該当します。ただし、「入梅」は梅雨が正確に始まる日を指すものではなく、この時期から雨が増える傾向にあることを農家などに伝え、準備を促す意味合いが強いです。
また梅雨が終わることを「出梅」と呼びます。
入梅の読み方
入梅の読み方は「にゅうばい」です。
雑節とは
「雑節」は日本独自の暦で、「彼岸」のほか「節分」「八十八夜」「土用」「二百十日」などがあります。
もともと太陰暦を利用していた日本では、新暦になった時に日付と季節にずれが生じるようになりました。半月のずれは農業では大きな問題になります。そこで生まれたのが雑節です。
二十四節気の間に雑節を入れることで、本来の季節とのずれを補い、寒気や暴風雨などがわかりやすいようにしたのです。
入梅と梅雨の違い
「梅雨」の季節が再び到来しましたが、「入梅」と「梅雨入り」の用語はどのように使い分けられているのでしょうか。暦における言葉としては「入梅」を、気象学上の現象としては「梅雨入り」を用います。
「入梅」は日本独自の雑節の一つで、中国の二十四節気に加えて季節の変化をさらに細かく把握するために補足的に作られました。これは「八十八夜」や「二百十日」などと同様です。一般的な辞書では、「入梅」は「つゆの季節に入ること」、「つゆいり」と解釈されています。暦上では「入梅」は6月11日頃とされています。
しかしながら、南から北へと広がる日本の地形を考慮すると、実際の「梅雨入り」は地域によって1ヶ月程度の違いがあります。沖縄から東北地方までその時期は大きく異なるため、暦上の「入梅」と気象学上の「梅雨入り」は別々の用語として使われています。
入梅の由来
「入梅」の言葉の起源についてはいくつかの説があります。有名なものをご紹介しますね。
梅の果実が熟す時期の雨だから入梅
暦の起源である中国で梅の果実が熟す時期の雨を「梅雨(ばいう)」と呼び、その時期が始まることを「入梅(にゅうばい)」と表現したというものです。6月頃はちょうど梅干しや梅酒を作り始める時期でもありますので信憑性が高いですね!
黴(カビ)の読み方が「バイ」だから入梅
昔は雨が続くと湿度が高くなり「黴(カビ)」が生えやすくなるため、「黴雨(ばいう)」と表現されていました。しかしカビはちょっと汚い…ので「バイ」と読む「梅」の字に置き換えたというものです。
入梅と梅雨の食べ物と行事食、入梅イワシと梅
この入梅や梅雨の時の行事食はありませんが、この時期に美味しい旬の食べ物があります。
入梅イワシ
「入梅イワシ」は、梅雨の時期である6月から7月にかけて獲れるマイワシを指します。
この期間に捕れるイワシは、産卵前というタイミングで、1年間で最も脂がのっており、味わい深いと評価されています。
特におすすめの「入梅イワシ」の楽しみ方は、なんといっても刺身です。冷たい水で身を引き締めた後、三枚に下ろしたイワシの刺身は、口の中で溶けるほどの絶妙な味わいがあります。
他にも色々な料理で楽しめますよ〜。
- 焼きイワシ: イワシを塩で味付けした後、焼くだけのシンプルな料理です。脂がのったイワシを焼くと、香ばしくて美味しいです。
- イワシの南蛮漬け: イワシを揚げて、酢と醤油、砂糖で作ったタレに漬け込む料理です。野菜と一緒に漬けると、酸味と甘みが加わります。
- イワシの梅煮: 骨まで食べられるように煮込んだイワシに、酸味のある梅肉を加えて煮る料理です。
- イワシの蒲焼: イワシを開きにした後、醤油、砂糖、酒で作ったタレを塗りながら焼きます。
- イワシの寿司: イワシの刺身を用いて作る寿司も、独特の風味と食感が楽しめます。
梅
六月は伝統的に梅の時期とされています。この時期、梅の実が熟し、一年を通じて様々な梅料理が作られます。上旬は実が青く硬い時期で、この時期の梅は梅肉エキス、醤油漬け、梅酒などに最適です。中旬になると実が黄色く色づき始め、この頃が梅干し作りの絶好のタイミングです。そして実が完全に熟し、甘い香りが溢れ出す頃になると、梅仕事も終盤に差し掛かります。この熟した梅はジャムなどに使うのに適しています。
「梅はその日の難逃れ」という言い伝えがあり、朝に梅干しを食べることでその日の災難から逃れられるとも言われています。また、旧暦の6月16日は、疫病を避け、健康を祈願する日とされ、和菓子を供えたり、十六個の餅を食べる「嘉祥喰い」の風習があります。また、この日に収穫された梅を使って作られた梅干しは、「嘉祥の梅」と呼ばれ、旅立ちの日に食べると災難を逃れることができると言い伝えられています。明治時代まで、この嘉祥の祝いは疫病を防ぎ、健康と繁栄を願う祝い事として広く行われていました。現代では、この日は「和菓子の日」とされ、古き良き伝統が受け継がれています。
この時期は、梅雨で湿度が高くカビが生えやすい時期でもあります。しかし、梅には高い殺菌効果がありますので、美味しい梅を食べて、健康に過ごすことができます。
入梅と梅雨のスピリチュアル
ジメジメと鬱陶しい雨…と思われる方も多いでしょう。
しかし、この梅雨時期はスピリチュアル的には浄化と癒しの効果を最大限に受けられる時期なんですよ〜。
雨は浄化の福音、梅雨は浄化の季節
雨はスピリチュアル的にはネガティブなエネルギーや不要なエネルギーを浄化する力があるとされています。雨が止んだ後に空気が清々しくなるのは、雨によって空間が浄化された証拠とも言われます。雨はその力で田畑や植物を潤す恵みの象徴でもあります。この自然現象は「恵み」と「災害」の表裏一体のものであり、私たち人間にとっても同様に影響を及ぼします。
梅雨の雨の日には香りでリラクゼーション
梅雨は雨が続きますね〜。
ですが雨の日はストレス解消の日と考えて、アロマキャンドルやアロマオイルを用いてリラクゼーションタイムを作ることがおすすめです。ラベンダーは鎮静効果があり、心身の緊張を解きほぐします。また、ローズマリーやユーカリなどの清涼感のある香りは血液の循環を促し、身体の不調を和らげます。どの香りを選ぶべきか迷ったら、直感に従って選ぶと良いでしょう。
雨の日の散歩は長靴で癒し
雨の日は心地よい雨音と共に、自然の中を歩くという選択肢もあります。濡れることで自分自身が浄化され癒されるという視点を持つと、雨の日も新たな発見と喜びに満ちた日となります。ただし、足元から体を冷やさないよう、長靴を履いて出かけることを忘れないようにしましょう。
室内の湿度調整が梅雨時の開運
梅雨のジメジメした時期は湿度が高まり、運気を下げる可能性があります。適切な湿度調整で運気も上がるとされています。開運湿度は50~60%とされていて、この範囲に保つためにはエアコンの除湿機能や除湿器の使用がおすすめです。
雨音が癒しをもたらす
雨音には自然音の持つ「1/fゆらぎ」という特性があり、これが癒しを与える効果をもたらします。雨音を聴きながら自分と向き合う時間を持つことで、深い気付きを得られることもあります。自分の感じていることをノートに書き出したり、未来の目標を設定したりすることで、気持ちが整理され、運気もアップするでしょう。
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