初卯の日は卯槌と卯杖

初卯の日は卯槌と卯杖 吉日カレンダー

新年の最初の卯の日は初卯の日。この「初卯の日」に亀戸天神社では「卯槌」というお守りを拝領します。初卯の日に贈られる卯槌と卯杖の歴史、意味、そしてこれらが現代の私たちの生活にどのように溶け込んでいるのかを探ります。

私たちは、これらの縁起物がどのようにして生まれ、どのような意味を持つのか、そしてなぜ今も多くの人々にとって大切な伝統となっているのかを深く掘り下げます。

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初卯の日と初卯詣

初卯(はつう)とは、その年が始まって最初に巡ってくる卯の日のことを指します。
この初卯の日に神社にお参りすることを初卯詣と言います。東京の亀戸天神社や大阪の住吉大社が有名です。東京の亀戸天神社では初卯詣に「卯の神札」と「卯槌」(うづち)が授与されます。

卯槌と卯杖

初卯の日にに拝領できる「卯槌」は六角形の木製の棒に「松竹梅」が描かれていて、赤い紙がかぶさり、五色の糸で結ばれています。
この卯槌は邪鬼を払い幸運を呼ぶと言われています。

卯杖と源氏物語と枕の草子

卯杖は「うづえ」と読みます。卯杖は辟邪具(邪気を祓う道具)の1つで、それを用いた年中行事のことを指します。
元は中国から伝わった風習が由来のようです。
「日本書紀」に「持統天皇3年(689年)に大学寮から天皇に杖80枚が献上された」と書かれています。お正月の卯日に悪鬼を祓う道具として諸衛府から献上されたものなんですね!

卯杖と源氏物語

卯杖は源氏物語でも出てきます。浮舟の巻ですね。
「若君 (わかぎみ) の御前 (おまへ) にとて、卯槌 (うづち) 參 (まゐ) らせ給ふ。おほきおまへの御覽 (ごらん) ぜざらむ 程 (ほと) に、御覽 (ごらん) ぜさせ給へとて。」

現代語訳だと「若君様へこちらから卯槌 (うづち) を差し上げられます。そまつな品ですから奥様の御覧にならぬ時に差し上げてくださいと仰せになりました。」ですね。

卯杖と枕の草子

枕草子では卯杖も卯槌も出てきます。

「かたつかたなれば きしめくに、おどろかせ給ひて、「などさはする。」との給はすれば、「斎院より御文のさふらはんには、いかでかいそぎあげ侍らざらん。」と申すに「げにかかりけるかな。」とて、おきさせ給へり。 御文あけさせ給へれば、五寸ばかりなる卯槌二つを、うづゑのさまに かしらつゝみなどして、山たちばな、ひかげ、山すげなどうつくしげにかざりて、 御文はなし。「たゞなるやうあらんやは。」とて、御覧ずれば、うづちのかしら つゝみたる ちひさき紙に、山とよむ 斧のひゞきを たづぬれば いはひの杖の 音にぞありける御返しかゝせ給ふほども、いとめでたし。」

これは中宮が卯槌をもらって返事を書く場面で、この文を読むと杖状のものではなく、丸かったりと色々なバリエーションを感じます。

卯杖の作り方

卯杖は茶道で点初めに飾るため作って飾るそうです。
この卯杖の作り方は時代によってかなり違いがありますが、まずは現代の茶道でよく見るものをご紹介します。

邪気を払うとされる桃の木か柳の木に日陰の葛(ひかげのかつら)、やぶこうじ、りゅうのひげといったシダ植物の仲間を長く垂らしたものを鳥の子紙などで包んで床の間に飾ります。

また日陰蔓卯杖飾りについて「生花早満奈飛」という天保6年(1835)に書かれた生花の本に書かれています。 それによると「桃か柳の杖に日陰蔓を長く懸かけ垂らし、両脇に藪柑子の実と 藪蘭を添え、さらに楮の繊維で作った白布を懸けて、その頭を鳥の子紙で松葉重または紅梅重で包んだもの」のようですね!

他にも枕草子の「心ちよげなるもの」の中にも卯杖について書かれています。

曾波木 (そばき) 、柊 (ひいらぎ) 、棗 (なつめ) 、毛保許 (むぼこ) 、桃、梅、椿、栢 (かしわ) 、柳、木瓜 (ぼけ) 、榠樝 (からぼけ) 、松などの木 を、5 尺 3 寸に切って、ひとつ、またはふたつ、またはみっつずつ、五色の糸で巻いたもの

ちなみに卯槌は

桃の木を長さ三寸幅一寸ほどに切って、縦に穴をあけて五色の組紐を通して垂れたもの
になります。卯槌も卯杖も、生花や茶道の世界以外では全く聞かない言葉になりつつあります。ぜひ初卯詣に行ってみてくださいね!

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