ここでは、「節分にしてはいけないこと」に焦点を当て、節分の日に適さない行為や、豆まきや恵方巻きを食べる際にしてはいけないことについて詳しく掘り下げていきます。節分の日に注意すべきことを理解することで、無病息災や福を招く行事の意義をさらに深めることができます。
節分に行われる豆まきでは、豆の撒き方や豆の種類、さらにはその後の処理方法に至るまで、細かなルールが存在します。また、恵方巻きを食べる際にも、沈黙を保ちながら特定の方角に向かって食べるなど、特別な習慣があります。これらの風習がなぜ大切なのか、そして守るべき点はどのようなものかを、歴史的背景とともに解説していきます。節分にしてはいけないことを知ることで、節分の日の行事をより意義深く、そして楽しく過ごすための知識を深めていただけることでしょう。
節分にしてはいけないこと
節分の時や豆をまく時にしてはいけないことのご紹介です。
節分にしてはいけないこと、豆まきを家長や年男・年女以外がする
節分の豆まきでしてはいけないことは「その家の家長やそれに準ずる長子、年男、年女以外が豆を撒く」になります。
節分における豆まきは、家族を災厄から守り、福を招く重要な役割を果たします。この儀式においては、家を守る家長が主導することが理想的です。家長は家の安全と繁栄を象徴し、彼らが豆を撒くことで、家を鬼や災厄から守り、良い運気を呼び込むことができます。
風水や家相との関連
豆まきの儀式は、風水や家相の考え方とも密接に関連しています。家のエネルギーバランスを整えるために、家長が行動を起こすことは重要です。例えば、恋愛運を上げたいと考えた家族がインテリアを変えた結果、家庭のエネルギーバランスが変わり、課長である父親の恋愛運が上がったなんてことも…。
年男・年女の役割
また、その年の干支に生まれた年男・年女も、特別な力を持つとされています。彼らは年神様の加護を受け、より強力な邪気払いの力を持っているとされます。そのため、豆まきでは最初の一投目を家長、年男、または年女が行うことが推奨されています。
家族全員での豆まき
家長や年男・年女が最初に豆を撒いた後、家族全員で豆を撒くことが望ましいです。これにより、家族全員が一致団結して家を守る意志を示し、共に鬼を追い払い、家族の福を招くことができます。
厄年の人が投げる風習の地域もある
また、地方によっては厄年の方が投げるという風習もあります。
厄年とは人生の節目となる年で、一年を通じて体調や環境が変化しやすい年とされています。病気や事故にあいやすいなどとも言われ、男女ともに要注意の年なのです。その大きな厄を払うために豆をまくのです。
節分やってはいけないこと、炒り豆以外で豆まきをする
節分の豆まきにおいては、炒った豆の使用が一般的です。その主な理由は、生の豆を使用した場合、拾い忘れた豆から芽が出てしまう可能性があり、縁起が悪いとされるからです。また、「豆を炒る」という行為は、「射る」という言葉と響きが似ており、鬼を豆で射て退治するという意味合いも含まれています。
ピーナッツや落花生の使用
節分の豆まきで炒った豆を使うことが基本ですが、炒ったピーナッツや落花生の使用も問題ありません。生の落花生は一般的に加熱処理が施されているため、節分の豆まきに使用しても問題はありません。実際に落花生は、収穫後に乾燥させ、茹でたり炒ったりしてから食用にすることが一般的です。ただし、生の落花生は高価で手に入りにくいため、豆まきにはあまり向いていないかもしれません。
特に雪が多く降る東北や北海道などで、落花生を豆まきに使用することがあります。雪の中で大豆を探すのは困難であるため、より見つけやすい落花生を選ぶのです。
豆まきの豆は大豆でなければならないのか
豆まきの伝統は、古くから鬼や災厄を追い払うための儀式として行われてきました。この儀式の起源は、日本だけでなく中国の影響も受けているとされています。特に、「赤小豆禳疫法」という赤い小豆で疫病を駆除する中国の風習は、日本の豆まきの儀式にも影響を与えたと言われています。
元々、豆まきには大豆ではなく小豆が使用されていた可能性があります。中国から伝来した「小豆を投げる厄除け」の習慣が、後に大豆に取って代わったと考えられています。この変遷の理由として、価格の問題が挙げられます。小豆は、収穫量の変動が激しく価格が高騰しやすいため、より手に入りやすく安価な大豆に変わっていったと思われます。
日本における豆まきの記録は、『看聞日記』や『花営三代記』などの古文書に見られます。これらの文献では、大豆を使用して鬼を追い払ったと記されています。また、室町時代に編纂された『壒嚢鈔』には、宇多天皇の時代に鞍馬山の僧正が鬼を退治するために大豆を使用したという記録があります。
昭和時代には「赤いダイヤ」とも称された小豆は、その価格の高騰と作りにくさから、豆まきには適さないとされました。一方で大豆は、五穀の一つとして「神聖な穀物」とされ、魔除けの効力もあると考えられていました。江戸時代には、庶民にも手に入りやすい大豆が豆まきに広く使われるようになりました。この辺りから大豆に変わったのではないかもしれません。
包んである豆や炒り豆以外のナッツで豆まきしてもいいの?やってはいけない?
落花生や個包装の豆を豆まきで使えば、その後の掃除も楽ですよね〜。特に個包装なら、外に投げても回収しやすいですよね!
これまでの豆まきの変遷を見ても、ピーナッツや落花生を撒くことに問題はなさそうです。
個人的にはピスタチオやアーモンドなどの種子類はダメなんじゃないかと思います。
- 豆は「穀物には生命力と魔除けの呪力が備わっている」という信仰
- 語呂合わせで「魔目(豆・まめ)」鬼の目に投げつけて鬼を滅する「魔滅」に通じる
- 鬼に豆をぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味
豆であるかどうかが重要ですので、ピスタチオやアーモンドは気になりますので、豆には分類されません。
落花生は縁起が良い
落花生の漢字には「落ちる」という言葉を使うため、受験や試験を控えた人には縁起の悪い食べ物なのですが、落花生はひとつの房に多くの実を結ぶことから、商売繁盛や子宝祈にはとても縁起がいいんですよ〜。
落花生は花が枯れ落ちて地下に実をつけるため、明治7年に日本に入ってきた当初は「なんか変な成り方で気持ちわるいし縁起も悪そう」という理由からなかなか普及しませんでした。しかし明治十一年に千葉県より「落花生貸渡栽培方」の通達が出され、特に下総鎌数村(現在の千葉県旭市)では戸長の金谷総蔵氏が長い間強力に推進し、今では県の特産となっています。
節分やってはいけないこと、恵方巻きを食べるときに声を出す
鬼は人の欲に釣られてやってきます。
恵方巻きを食べるときは願い事を心の中で唱え終わるまでは絶対にしゃべってはダメです。
節分にすること豆まきにすること
節分や豆まきですること、しないといけないことをご紹介します。
豆まきにすること
節分当日はもちろん豆を撒きます。豆まきの大切なことを一覧にします。
正しいと言われている豆の巻き方です。
ただし、下記のやり方に捉われすぎず、炒り大豆で8粒を8回、計64粒を家長か年女、年男がまいた後は、ファミリーやカップルで楽しんだ方がいいのではないでしょうか。笑う門には福来るです。
- 豆は煎ったものを使う(煎る→射るで鬼退治、煎った豆は芽が出ないので厄が芽をださない)
- いった豆を当日の夜8時までに神棚に備えておく(昼までには供えたいですね)
- 枡にいれて撒く(枡→増すで利益が増す、節分の枡は豆まきの次の日、神棚に飾って貴金属を入れると金運アップ)
- 鬼が夜中に来るため節分は夜の8時~10時頃に行います。
- 玄関・ベランダ・窓など家のすべての戸を開放しましょう。
- 撒く回数は8粒を8回、計64粒(諸説ありますが、縁起のいい数字で8が多いです)
- 撒く方向は北東と南西(鬼門と裏鬼門)
- 撒く人は年男、年女、その家の家長
- 玄関から各部屋を回る
- 出入口のとことで「鬼は外、福は内」と2回ずつ繰り返し声をかけながら豆をまく
- 桝を左手に、胸の高さに持ち、右手で下手投げでまくのが正しいまき方
- 撒く時に塩も一緒に撒くとより厄よけになります
- 豆まきが終わったらすぐに全ての窓や扉を閉めて、鬼が入れないようにします。
福豆について、神棚がない場合
炒った大豆を桝に入れ、神棚にお供えしたものが福豆。神棚がない場合は目線の高いところに白い紙を敷いてお供えしてもよいでしょう。
豆まきの豆の食べ方、何個食べるか
豆まきが終わったら、豆をいただきます。この豆は「年取り豆」と呼ばれます。自分の年齢だけ、もしくは年齢の数+1個だけ食べるのが風習となっています。
豆まきの豆の食べ方、福茶
年の数の豆を食べられないという場合は代わりに「福茶」として飲む習慣もあります。とても縁起が良いと言われています。豆を食べきれなかったら、こちらを試してくださいね!
福茶の作り方
福茶の作り方は色々あります。有名なのは下記の2点です。
- 普通の緑茶に豆を三粒(縁起を担ぐため)入れて飲む
- 塩昆布、梅干し、豆を三粒を入れて緑茶を上から注ぎ飲む
豆まきの豆の食べ方、食べずに神棚へ上げる
一年間福豆を神棚に上げておくとその家には落雷がないといわれています。そのため、残りは神棚へ備える方も多いです。節分の枡は豆まきの次の日、神棚に飾って貴金属を入れると金運アップするのも有名ですね!
豆まきの豆の食べ方、神棚の豆を飲むと治る
上記の神棚の豆ですが、どんな医者でも治らない病気になったら神棚の豆を飲むと治るとも言われています。
豆まきは枡を使うと縁起がいい
元々は神様のお供物にも使われていた枡は、「神聖」「縁起物」として考えられるようになります。それは「ます」という読みが「増す」や「益す」に通じ、「幸福が増す」「益々めでたい」といったハレの日にふさわしいものだからでしょう。
また、枡の組み方は「入」の字に組まれており、これが「大入り」の縁起を担いでいます。
他にも木を合わせて作るというのが「気が合う」という語呂合わせになるんですよ〜。
豆まきにも縁起の良い枡を使ってね!
豆まき以外に節分すること
豆まき以外にも節分ではすることがあります。
節分にすること、ヒイラギとイワシの頭を玄関に飾る
節分の日には豆まきの準備以外に、ヒイラギとイワシの頭を玄関に飾ります。
これは追儺とは関係なく既に平安時代に始まっていた風習で、
- ヒイラギのトゲが目に刺さって鬼が近寄れないようにする
- イワシの頭は、その臭気に驚いて鬼が逃げるから
という意味があります。節分の当日、豆まきの前に行いましょう。
追儺の時代には桃の木と葦だった
現代では節分といえばヒイラギとイワシの頭ですが、追儺の時代には桃の枝と葦でした。
桃には厄除けの力があり、中国では不老不死の実であると考えられていました。神聖な桃の力で鬼を追い払っていたんですね。
他にもヒイラギや桃の枝だけではなく、ニンニクやネギを吊るす地方もあるそうですよ!
節分にすること、恵方を向いて恵方巻を丸かぶり
節分の夜にその年の恵方を向いて食べると、商売繁盛や無病息災で過ごせるという恵方巻きのご紹介です。
江戸時代末期頃、関西を中心に流行っていたといわれており、具はさまざまですが基本は7種で七福神にちなんでいるという説が有力です。包丁では切らず、頭から無言でまるかじりするのがよい、とされています。
これは鬼は人の欲に釣られてやってくるため、恵方巻きを食べるときに願いをしゃべると鬼が来てしまうのです。
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